少しだけお願いしたはずなのに、
なぜか気持ちが落ち着かないことがあります。
任せたあとも、
ちゃんと伝わっただろうかと考えてしまう。
確認しなくても大丈夫なはずなのに、
もう一度見たくなる。
自分でやっているときよりも、
かえって気になってしまうことがあります。
本当は、
相手を信用していないわけではないし、
助けてもらいたくないわけでもない。
それでも、
自分の手を離れた瞬間に、
どこか落ち着かなくなることがあります。
大事にしていることほど、
そうなりやすいのかもしれません。
手を離れることが、落ち着かない
ちゃんとできているだろうか。
困っていないだろうか。
抜けているところはないだろうか。
気になり始めると、
任せたはずのことが、
頭の中に残り続けることがあります。
自分で持っているあいだは、
少なくとも様子は分かる。
途中で何かあっても、
自分で動くことができる。
だから、
大変だと思いながらも、
自分の手の中に置いておいたほうが安心できることがあります。
委ねることがこわいのは、
失敗したくないからだけではないのかもしれません。
うまくいかなかったとき、
自分だけではどうにもできないことがある。
そのことに、
落ち着かなさを感じることもあります。
相手を責めたくない。
困らせたくない。
嫌な思いをさせたくない。
そんな気持ちがあるほど、
最初から自分で持っていたほうが楽に感じることもあります。
委ねるということが、
責任まで手放すことのように感じられることもあります。
もちろん、
実際にはそうではないのかもしれません。
それでも感覚としては、
自分の外に出したものが、
もう自分だけでは守れなくなるような不安が残ることがあります。
だから、
ただ「任せればいい」とはならないのでしょう。
抱えすぎているからでも、
頼るのが下手だからでもなくて、
これまで自分で持ちながら、
守ろうとしてきたものがあったから。
気にかけてきた時間が長かったから。
その積み重ねがあるほど、
手を離すことは簡単ではないのだと思います。
すぐに上手に委ねられなくてもいいのかもしれません。
ただ、
こわいと思う気持ちにも、
それなりの理由がある。
自分の手を離れることへの不安には、
守ってきた時間の長さが含まれていることがある。
そんな見方も、
どこかに置いておけたらと思います。

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