少しだけお願いしてみよう。
そう思って声をかけられた日は、
それだけでも、いつもより少し勇気を使ったように感じることがあります。
引き受けてもらえて、
「ありがとう」と伝えて、
これで少し楽になるはずだった。
それなのに、
気づけばそのことが何度も頭に浮かんできます。
ちゃんと伝わっただろうか。
困らせていないだろうか。
負担になっていないだろうか。
お願いしたはずなのに、
気持ちだけは、まだその場に残っているように感じることがあります。
任せたのだから大丈夫。
そう思おうとしても、
どこか落ち着かない。
自分の手から離れたはずなのに、
心の中では、まだ持ち続けているような感覚になることがあります。
お願いできたことと、
気持ちまで落ち着くことは、
同じではないのかもしれません。
お願いしたあとに残る気持ち
少し楽になりたかったはずなのに、
申し訳なさが残る。
任せたはずなのに、
責任まで手放したようには思えない。
自分が気にかけなくても進んでいるはずなのに、
つい様子を想像してしまうことがあります。
それは、
相手を信用していないからとも、
神経質だからとも、
言い切れないのだと思います。
これまで長いあいだ、
自分で気にかけ、
自分で抱え、
自分で進めてきた時間があった。
そうやって持ち続けてきたものは、
「お願いします」のひと言だけで、
すぐに心の中から離れていくわけではないのかもしれません。
自分の外に出したあとも、
気持ちはそのまま残ることがあります。
何度も思い出してしまう。
少し気になってしまう。
本当にこれでよかったのかと、
心の中で確かめ続けてしまう。
そんな時間が続くこともあります。
頼れたからそれで終わり、
とはならない日もあります。
お願いしたあとにも、
気持ちが追いつかないことがあります。
その落ち着かなさは、
うまく任せられなかった証拠というより、
長いあいだ、
大事なものを自分で持ち続けてきた時間の延長にあるものなのかもしれません。
だから、
お願いしたあとも気になってしまう日があっても、
その気持ちまで、
急いで手放さなくてもいいのかもしれません。

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